TAKANOHANA the first - 1982


貴乃花部屋 / Takanohana stable

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 2005年5月30日、二子山親方が亡くなられました。
仮通夜に駆けつけてお別れを致しましたが、とても穏やかなお顔でした。

生前、「辛いことがあるとこの作品の前に立つ」と語ってくれたことを思い出します。
親方のご冥福をお祈り申し上げます。


 二子山親方が現役の大関貴ノ花の時代に仲人をして頂き、断髪式で髷を切らして貰ったお返しと、当時の藤島部屋の部屋開きのお祝いにプレゼントした作品です。

親方にモデルになって貰い、取り組みの睨んだ表情をお願いしたら「土俵の上でなければ出来ない」と言われてしまった。

少し大きめに作ったつもりが近くで比べて見ると等身大、小兵といわれた親方も腕の太さが私の太腿ほどありました。

今でも二子山部屋の上がり座敷から稽古場の土俵を見つめています。多くの関取や横綱誕生の陰の努力を一番知っているのはこの作品かも知れません。

どうしてもステンレスのワイヤーで大銀杏を作りたかった。一本1mm径のワイヤーが19本の細いワイヤーで撚り合わせて

出来ていてそれが5000本も集まると、どうにも始末に負えなくなる。一本一本が元に戻ろうとしてのたうち回る。焼き鈍せば柔らかくなるが金属特有の張りが無くなってしまう。

でも一番やりたかったのは親方の揉み上げ。同じ様に植えたワイヤーの撚りを解いてから爪で扱くとくるくるっと見事縮みましたが、そこに至る制作に3ヶ月も係ってしまいました。