第二回いりや画廊企画展 関正司彫刻展「Papillon 2013」

2013.5.7〜18

第二回いりや画廊企画展 関正司彫刻展「Papillon 2013」

小学生の頃、アゲハ蝶の卵を見つけ、幼虫からサナギ、羽化までの観察日記を書いた。
近所の庭先から貰ってきた山椒の葉を幼虫はモリモリと食べた。
羽化した「蝶」は、私の廻りを飛ぶことも無く、何の未練も感じさせず、東京の空へと飛んでいった。

「Papillon」の生い立ちは、今から13年前になるが、千葉県佐倉市の印旛沼を望むアトリエで制作した、葦の葉に腰掛けて湖面を物憂げに見つめる「Fairy(妖精)-2000」の羽根として生まれた。

その後、妖精は姿を隠し、「蝶」として飛び立った。

蝶は、亡くなった方の霊を乗せて飛ぶというが、その思いを妖精も後押ししていると思う。

父が亡くなった時も何度か私の廻りを蝶が舞った。

近くに父を感じ、来てくれていると思うと心が和んだ。

東日本大震災以来、彫刻家として何も出来ない自分がいた。

「作家として何が出来るか」胸の内の問い掛けに、やっと答えが出せる時が来た。

蝶の作品にその思いを込めて、大空に飛ばしたい。

身内や友人の死も含め、追悼の気持ちを込めて、霊を蝶が乗せ、残された人々の元に連れ帰り、身近を飛翔し、傷ついた心を癒してくれますようにとの願いを込め、蝶の作品を制作した。

明かりに群がる蝶のランプシェードと、スポットライトに浮かぶ羽根の輝きでそんな気持ちを表せたらと思っている。

会場正面奥にアゲハペンダント照明を吊るし、入り口から順に高低差を付け、ペンダント照明の廻りまで、ポリカーボネート製の羽根が可動する蝶を20匹吊した。

18日の最終日、かけがえのない友がまた1人逝ってしまった。

関正司

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國松つるさんのダンス 2013.5.10
國松つるさんのダンス 2013.5.10
会場展示
スタンドタイプの羽ばたき蝶
ペンダントライトと蝶
ライトを透過した蝶
蝶の影
会場展示